shU 「不在の轟き」を公開しました。楽曲ページでお聴きいただけます。
shU「不在の轟き」は、存在しないものが圧倒的な密度を帯び、静けさの奥で膨張していくような、抽象的かつ切迫した世界を描く楽曲だ。欠落と充満、遠さと深さ、消失と濃さという相反する感覚が幾重にも重なり、まだ訪れていない終末の気配が、時間や空間の境界を越えて迫ってくる。
序盤では、刻まれる以前の時間や、どこにも属さない場所、光を思わせるほど白い闇といった像が提示される。輪郭を持たないものが重さだけを残し、隔たりのない膜が緊張を増していく情景は、何かが始まる直前というより、始まりそのものが成立できずに軋んでいるかのようだ。ひとつの欠落が無限全体を揺らすという発想も、不在を空白ではなく強大な圧力として浮かび上がらせる。
中盤では、余白のさらに裏側が波打ち、消された痕跡から眩暈が広がる。過去と未来の区別も薄れ、複数の瞬間が重なった継ぎ目に亀裂が走ることで、世界の構造は次第にほどけていく。それでも消滅は解放にはつながらず、形を失った後に残る圧力が静寂をいっそう締めつける。ここには、なくなるほど存在感が強まり、離れるほど核心へ近づくという逆説が貫かれている。
終盤、下降には底がなく、中心は近づくどころか遠ざかり、不在そのものが折り重なっていく。やがて終わりは未来の一点ではなく、始まりを内側からのみ込む力へと変貌する。最後に掲げられるのは、欠け続けることと満ち続けることの同時進行だ。「不在の轟き」という題名が示す通り、何もない状態を沈黙として閉じず、むしろ最も激しい現象として捉え直す、張り詰めた一曲となっている。



