MMM 「奈落の花」を公開しました。楽曲ページでお聴きいただけます。

MMM「奈落の花」は、光の届かない場所へ突き落とされ、戻る道さえ失った者が、自らの力で空を目指す逆境と再生の物語だ。頭上から聞こえていた足音は遠ざかり、助けを求める声も闇の中ですり減っていく。崩れた足場と冷たい土だけが残る情景から、逃げ道のない孤独と絶望が浮かび上がる。

その奈落で希望の象徴となるのが、石の隙間から伸びる細い根だ。水を求めて先へ進む根の姿に、踏みにじられた夢が重ねられる。過去の拍手にすがり、動けない理由へと置き換えていた自分を振り切るように、泥にまみれた指を岩肌へ伸ばす。爪が剥がれ、傷を負っても小さな溝をつかむ描写が、生き残るための切実な意志を伝える。

やがて頬をなでる、ほんのわずかな風が転機をもたらす。目の前の亀裂が空へつながっていると信じ、あと一度、あと一歩と身体を押し上げていく。崩れる石に叫びを返し、ここまで這い上がった命を闇へ渡すまいとする決意は、誰にも見えなかった闘いを、自分だけの確かな歩みへ変えていく。

断崖を越えた先で初めて陽を浴びるとき、根を張っていた夢はついに蕾をほどく。泥も傷跡も消すべき過去ではなく、生き抜いた証として抱いたまま咲く花。その色は、奈落の暗さに屈しなかった命そのものだ。孤独な抵抗が鮮烈な開花へ至り、自分の生き抜いた色で空を染めようとする姿を通して、「奈落の花」は傷を力へ変える強い意志を描き出している。

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