MMM 「錆びた滑走路」を公開しました。楽曲ページでお聴きいただけます。

MMM「錆びた滑走路」は、挫折や過去の痛みを消し去るのではなく、その重さを抱えたまま再び前へ進もうとする意志を描く一曲。雨を数える格納庫、翼を失った機体、錆びついた滑走路といった情景を通して、動き出せずにいる時間と、可能性が閉ざされたように感じる心境が重ねられている。朝は訪れても飛び立てない。その停滞のなかで主人公は、自らの手で機体を整え直そうとする。

物語を動かすのは、風向きや誰かの合図を待つことをやめる決断だ。周囲が引いた境界を終点だと思い込み、地面に預けていた熱を取り戻すように、傷ついた計器へもう一度光を入れていく。呼ばれる保証がなくても、自分自身の存在に応答する。その姿には、再起が華やかな逆転ではなく、小さな修復と覚悟の積み重ねから始まることが映し出される。

過去の墜落や破れた地図、黒煙の記憶も、単なる失敗として切り離されることはない。生き残った鼓動には確かな意味があり、忘れることで身軽になるのではなく、抱えてきたものごと浮かび上がる道が探されていく。傷や迷いは飛べない理由から、進むための知恵と力へ変わり、届かなかった高度の先にも自分の空が続いているという感覚へつながっていく。

やがて錆びた滑走路には新たな風が走り、一度折れた翼は自ら水平線を選ぶ。離陸の先に安全も成功も約束されてはいない。それでも、自分の人生を運ぶのは自分だという決意が、停滞していた情景を前進へと塗り替える。痛みを置き去りにせず、生きてきた重さそのものを上昇する力へ変えていく、力強い再出発の物語だ。

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